arutema47's blog

書いたり書かなかったり。

集積回路学会の格(Tier)

学会編

集積回路の設計、いわゆる「回路系」の研究において、どの学会に論文を投稿するかは非常に重要な戦略です。 「格(Tier)ばかりを気にするのは学術の本質ではない」というのはご尤もですが、自分の研究成果の価値を正しく評価してもらい、かつ適切なコミュニティに届けるためには、 業界内の「暗黙知」となっているTierを理解しておくことは不可欠です。また格の高い学会に通したほうが自分のキャリアとしては良い方向に働きます。

コンピュータサイエンス全般では、中国計算機学会(CCF)などが明確なTier別リストを公開していますが、集積回路系(SSCS関連)はそこまで明文化されていません。 そこで、(あくまでSSCS分野の僕の考える)国際学会のTier分けを整理しておきます。

一般論としてTierが高いほど査読が厳しく通りづらく通ったときのリターンは大きいですが、必ずしもTier1学会の論文がTier2学会論文より優れていないことは論文を読んで見ればわかるかと思います。

www.ccf.org.cn

Tier 1:トップカンファレンス(世界最高峰)

ISSCC, VLSI Symposium (Circuits)

ここは「トップ学会」であり、1本通るだけでその後の研究者人生やキャリアが大きく開けるレベルです。

  • ISSCC: 「半導体のオリンピック」と呼ばれ、フラッグシップ学会です。他分野でも"ISSCCくらいは知っている"レベルの知名度です。査読は非常に厳しく、キツイです。

aru47.hatenablog.com

  • VLSI (Circuits): ISSCCと並ぶトップクラス。ISSCCが「最先端の凄さ」なら、VLSIは「回路的な進歩性」を重視する傾向がありますが、大まかな傾向は似ています。 ISSCCと比べると幾分通すのは簡単ですが、それでもTier2学会とは明確な差があります。 ISSCC落ちたらVLSIにチャレンジ、その次にTier2に流すという論文が多いのではないでしょうか。

いずれも採択率は20%前半で日本の大学からは年に数本しか通りません。

なお採択論文の2-3割は企業から出される"2nmプロセスで作った俺達の最強チップ"ですが、同じトラック内でアカデミア論文も査読されます(どうしてこうなった)

その中で採択されないといけないので肌身としての採択率は10%代だと感じます。

きびしいな~

(C) NHK おとうさんといっしょ

Tier 2:ハイレベル学会(博士課程の目標)

CICC, A-SSCC, ESSERC

Tier2といえども非常にレベルが高く、博士課程の学生がここに1本通せば「一人前」として胸を張れる学会です。

  • CICC: 北米を中心とする非常に質の高い学会。

  • A-SSCC / ESSERC: それぞれアジア、ヨーロッパを代表するトップレベルの地域拠点学会。特にESSERCはヨーロッパの観光地で開催されるため行くだけで楽しく、ご飯も美味しいのでリピーターが多い印象です。

Tier2学会のアカデミア論文のレベルは以前高いですが、半導体企業はTier1以外には基本的には出せません

なので"俺達の2nmチップ"と戦わなくて良いのが良い点ですね・・

Tier 3:エントリーレベル(初学者の登竜門)

【学会例】ISCAS, LASCAS, APCAS, NEWCAS, SSDM

初めて国際学会にチャレンジする学生にとって、良い経験となる学会です。

  • ISCAS: 回路とシステム(CAS)分野で最大級の規模。幅広いトピックを受け入れています。

  • 地域系 (LASCAS等): 各地域のコミュニティが主催しており、ネットワーキングや発表の練習の場として最適です。

ジャーナル編

ジャーナルの方の格は難しいですね、IFを見るとJSSCとTCAS-1が並んでいてTier1と言えそうです。その次のTier2にTVLSIでしょうか。

SSCS系では”JSSCが唯一読まれる論文誌"というジョークもあり、企業のエンジニアでもJSSCは読んでいる方が多い印象があります(SSCS会員だと無料で読めるからかもしれませんが)。

採択率は知らないのですが、査読者視点ではJSSCの査読は非常に厳しく、TCAS-1の査読は少しやさしい気がしています(もちろん当たる査読者次第ですが)

アナログCMOS回路設計入門100本ノック

アナログCMOS回路設計に入門しよう!

ラザビCMOS片手に解くことを想定してます。

この辺りを一通りできると、最初の設計にスムーズに入れると思います。

2026/4/14: レイアウト入門追加

aru47.hatenablog.com

狙い:シミュレータに慣れる、デバイス特性の確認、基本的なオペアンプの設計

★マークは中級レベルのチャレンジ問題なので最初は飛ばして良い。

想定条件

  • Process: 180nm CMOS または 65nm CMOS 1.8V Tr. (何でも良いとは思います)
  • VDD: 1.8V (1Vでもカスコード以外は組めると思います)

またLTSpiceでも実行できると思います。

kakitamablog.com


MOSFET特性

1. NMOS Id-VGS特性

シミュレーション: DC sweep (VGS)

sweep

  • VGS: 0 → 1.8V

固定条件

  • VDS = 1.8V
  • W = 1µm
  • L = 200nm

確認事項

  • Id vs VGS
  • しきい値電圧
  • uCoxを計算せよ
  • 強反転領域はどこか?

2. PMOS Id-VGS特性

シミュレーション: DC sweep (VGS)

sweep

  • VGS: 0 → 1.8V

固定条件

  • VDS = 1.8V
  • W = 1µm
  • L = 200nm

確認事項

  • Id vs VGS
  • しきい値電圧
  • uCox
  • NMOSとの電流値の違い

3. NMOS Id-VDS特性

シミュレーション: DC sweep (VDS)

sweep

  • VDS: 0 → 1.8V

固定条件

  • VGS = 0.6V
  • VGS = 0.8V
  • VGS = 1.0V
  • VGS = 1.2V

確認事項

  • Id vs VDS
  • 線形領域と飽和領域

4. NMOS gm特性

シミュレーション: DC sweep (VGS)

sweep

  • VGS: 0 → 1.8V

固定条件

  • VDS = 1.8V

確認事項

  • gm vs VGS
  • gm最大点

5. gm/Idプロット

シミュレーション: DC sweep

sweep

  • VGS: 0 → 1.8V

固定条件

  • VDS = 1V

確認事項

  • gm/Id vs Id
  • 動作領域(弱反転・強反転)

6. チャネル長依存性

シミュレーション: DC sweep

sweep

  • L: 200nm, 300nm, 400nm, 800nm

固定条件

  • VDS = 1.2V
  • W = 1µm

確認事項

  • Id-VGS比較
  • LごとのId-VGS比較
  • 短チャネル効果

7. 出力抵抗 ro

シミュレーション: DC sweep (VDS)

sweep

  • VDS: 0 → 1.8V

固定条件

  • VGS = 1.0V

確認事項

  • Id vs VDS傾き
  • ro
  • roは何で決まるか考察せよ

8. ★Early電圧

シミュレーション: DC sweep

sweep

  • VDS: 0.5 → 1.8V

固定条件

  • VGS = 1.0V

確認事項

  • Id-VDS直線外挿
  • Early voltage

9. ★MOS寄生容量

シミュレーション: AC

sweep

  • W: 1um → 100um

固定条件 - 出力容量 10fF - VGS = 1.0V - VDS = 1.8V

確認事項

  • Cgs
  • Cgd
  • ゲート電圧によって寄生容量が変わることを確認し、MOSCAP特性をまとめよ

10. ★MOS fT

シミュレーション: AC

sweep

  • frequency: 1MHz → 100GHz

確認事項

  • unity current gain frequency(fT)
  • fTは何を示すか考察せよ

CMOSインバータ

11. CMOS inverter VTC

シミュレーション: DC sweep (Vin)

sweep

  • Vin: 0 → 1.8V

固定条件

  • VDD = 1.8V
  • CL = 10fF

確認事項

  • Vout vs Vin
  • スイッチング特性
  • スイッチング電圧はどう決まるか考察せよ

12. インバータ大信号特性

シミュレーション: Transient

  • Input: 1MHz 矩形波
  • period = 10ns
  • rise/fall = 100ps

確認事項

  • 出力時間波形
  • 遅延時間

13. Wn/Wp比の影響

シミュレーション: DC sweep

sweep

  • Vin: 0 → 1.8V

パラメータ sweep

  • Wp/Wn = 1, 2, 3, 4

確認事項

  • VTC変化
  • VMシフト

14. ★ノイズマージン

シミュレーション: DC

sweep

  • Vin: 0 → 1.8V

確認事項

  • NMH
  • NML

15. インバータ遅延

シミュレーション: Transient

確認事項

  • tpHL
  • tpLH

16. 負荷容量依存

シミュレーション: Transient

sweep

  • CL = 10fF, 100fF, 1pF

入力

  • pulse

確認事項

  • delay vs CL
  • なぜ負荷容量が増えると遅延が増えるか考察せよ

17. 消費電力

シミュレーション: Transient

入力

  • pulse

負荷

  • CL = 100fF

確認事項

  • 平均消費電力
  • 動的電力

18. 温度特性

シミュレーション: Transient

sweep

  • 条件設定でtemperature: -40°C 27℃ 125°C

確認事項

  • delay変化
  • 各温度におけるVthを調べよ

19. PVTコーナー

シミュレーション: Transient/Corner simulation

corner

  • TT
  • SS
  • FF
  • SF
  • FS

確認事項

  • delay variation
  • 各PVTにおけるVthを調べよ

一段増幅器

20. コモンソース増幅器DC動作

シミュレーション: DC

固定条件

  • VDD = 1.8V
  • NMOS: W = 10µm
  • L = 200nm
  • RD = 10kΩ

確認事項

  • ドレイン電圧
  • ドレイン電流
  • MOSの動作領域(飽和 / 線形)

21. 小信号ゲイン

シミュレーション: AC

sweep

  • frequency: 1Hz → 1GHz

固定条件

  • 入力信号: AC = 1V

確認事項

  • 電圧ゲイン Av
  • Avの教科書的な定義と比較せよ

22. gm・ro確認

シミュレーション: DC operating point

固定条件

  • バイアス点を設定

確認事項

  • gm
  • ro
  • Id

23. 理論ゲイン比較

シミュレーション: AC

sweep

  • frequency: 1Hz → 1MHz

固定条件

  • 入力 AC = 1V

確認事項

  • シミュレーションゲイン
  • gm × ro から計算したゲイン
  • 両者の差を考察せよ

24. 帯域幅

シミュレーション: AC

sweep

  • frequency: 1Hz → 1GHz

固定条件

  • 入力 AC = 1V
  • Cload = 100fF

確認事項

  • 帯域(-3dB bandwidth)
  • 帯域はどう決まるか考察せよ

26. 入力振幅依存

シミュレーション: Transient

入力

  • sine
  • frequency = 1MHz

sweep

  • 入力振幅: 10mV, 50mV, 100mV, 200mV

確認事項

  • 出力波形
  • 非線形歪
  • 線形出力スイング範囲は何で決まるか考察せよ

27. 出力スイング

シミュレーション: DC sweep

sweep

  • Vin: 0 → 1.8V

固定条件

  • RD = 10kΩ

確認事項

  • 最大出力電圧
  • 最小出力電圧

28. ソースディジェネレーション

シミュレーション: AC

sweep

  • frequency: 1Hz → 1GHz

パラメータ sweep

  • RS = 0Ω, 100Ω, 500Ω, 1kΩ

確認事項

  • 電圧ゲイン
  • ゲインの変化はなぜ起こるか考察せよ

29. ノイズ

シミュレーション: NoiseSim

sweep

  • frequency: 1Hz → 1000MHz

固定条件

  • 入力ノード指定

確認事項

  • input referred noise
  • 何をするとノイズが改善するか考察・シミュレーションせよ
  • ノイズ低減のトレードオフはなにか?

30. 温度依存

シミュレーション: Temperature

確認事項

  • シミュレーション温度設定の練習。わからなかったら先輩に聞こう。
  • ゲイン変化
  • バイアス電流変化
  • なぜその変化が起きるか考察せよ

Current mirror

31. 基本電流ミラーの動作確認

シミュレーション: DC

固定条件

  • VDD = 1.8V
  • IREF = 10µA
  • NMOSおよびPMOSの基本電流ミラー
  • ミラー比 1:1

確認事項

  • IOUT
  • IOUT / IREF
  • 各MOSの動作領域

考察

  • IOUTがIREFと一致しない原因は何か
  • 精度を改善するには?

32. 電流ミラー誤差の確認

シミュレーション: DC

sweep

  • IREF: 1µA, 5µA, 10µA, 50µA, 100µA

固定条件

  • ミラー比 1:1

確認事項

  • IOUT
  • ミラー誤差 [%]
  • 電流値による誤差の変化
  • 小電流側と大電流側で誤差が変わる理由は何か

33. ★出力電圧依存性

シミュレーション: DC sweep

sweep

  • VOUT: 0 → 1.8V

固定条件

  • IREF = 10µA

確認事項

  • IOUT vs VOUT
  • 電流が一定に保たれる範囲

考察

  • なぜVOUTでIOUTが変化するのか
  • この変化を小さくするには何をすればよいか

34. 出力抵抗 ro の確認

シミュレーション: DC sweep

sweep

  • VOUT: 0.6V → 1.8V

固定条件

  • IREF = 10µA
  • 飽和領域で評価

確認事項

  • IOUT vs VOUT の傾き
  • 出力抵抗 ro

考察

  • roが大きいことのメリットは何か
  • roを大きくするための代表的な方法は何か

35. チャネル長依存性

シミュレーション: DC

パラメータ sweep

  • L: 200nm, 300nm, 400nm, 800nm

固定条件

  • W一定
  • IREF = 10µA

確認事項

  • IOUT
  • ミラー誤差
  • ro

考察

  • Lを長くすると何が改善し、何が悪化するか
  • トレードオフは何か

36. ミラー比の確認

シミュレーション: DC

パラメータ sweep

  • ミラー比: 1:1, 1:2, 1:4, 2:1

固定条件

  • IREF = 10µA

確認事項

  • IOUT
  • 理想比とのずれ
  • 面積比と電流比の関係
  • 面積比だけで正確に倍率が決まらない理由は何か

37. カスコード電流ミラー

シミュレーション: DC sweep

sweep

  • VOUT: 0 → 1.8V

固定条件

  • IREF = 10µA
  • 基本ミラーとカスコードミラーを比較

確認事項

  • IOUT vs VOUT
  • ro
  • コンプライアンス電圧
  • 基本ミラーとの違い

考察

  • カスコード化で何が改善するか
  • その代わりに何が悪くなるか

38. 温度依存性

シミュレーション: Temperature sweep

sweep

  • temperature: -40°C 0℃ 125°C

固定条件

  • IREF = 10µA
  • ミラー比 1:1

確認事項

  • IOUTの温度変化
  • ミラー誤差の温度依存
  • 各MOSのVGS変化

考察

  • なぜ温度で電流が変化するのか
  • 温度安定性を良くするには?

39. PVTコーナー解析

シミュレーション: Corner simulation

corner

  • TT
  • SS
  • FF
  • SF
  • FS

固定条件

  • IREF = 10µA
  • 必要なら temperature = -40°C, 27°C, 125°C
  • VDD = 1.62V, 1.8V, 1.98V

確認事項

  • IOUT variation
  • ミラー誤差
  • 最悪条件での動作

考察

  • どのコーナーで誤差が最大になるか
  • その条件でなぜ悪化するのか

40. ミスマッチ評価

シミュレーション: Monte Carlo解析

固定条件

  • IREF = 10µA
  • ミラー比 1:1
  • mismatch enable

確認事項

  • 1000回モンテカルロでIOUTの分布
  • ミラー誤差の分布
  • 平均値
  • 標準偏差

考察

  • ミスマッチ低減には何が有効か確認せよ

差動対の設計と解析

抵抗負荷で基本動作を理解し、PMOSアクティブロードで実際のアナログ回路に近づけ、最後にカスコード化で高利得化を学ぶ流れにした。


41. 抵抗負荷差動対

シミュレーション: DC

固定条件

  • NMOS差動対
  • 抵抗負荷
  • テールNMOSのゲートは定電圧でバイアス
  • VCM = 0.9V
  • differential input = 0V
  • 目標ゲイン: 20dB程度

確認事項

  • 各MOSの動作領域
  • 出力が電源やGNDに張り付いていないか?

42. 小信号利得

シミュレーション: AC

sweep

  • frequency: 1Hz → 1GHz

確認事項

  • 低周波ゲイン
  • -3dB bandwidth
  • differential gainの見方

考察

  • ゲインは gm と負荷抵抗のどちらに依存しているか
  • 何を変更するとゲインが増加するか

43. 抵抗負荷差動対の大信号特性

シミュレーション: Transient

入力

  • differential sine input
  • frequency = 1MHz

sweep

  • 入力振幅: 10mV, 50mV, 100mV, 200mV

確認事項

  • 出力波形
  • 線形範囲
  • 波形の歪み

考察

  • 小信号で成立した利得が大信号で崩れるのはなぜか
  • 線形範囲を広げるには?

44. PMOSアクティブロード(ダイオード負荷)

シミュレーション: DC

確認事項

  • 各MOSの動作領域
  • 抵抗負荷時との動作点の違い

考察

  • PMOSアクティブロードの利点はなにか
  • アクティブロード化で利得が増える理由は何か?

45. 小信号利得

シミュレーション: AC

sweep

  • frequency: 1Hz → 1GHz

考察

  • PMOS負荷ではゲインが何で決まるか
  • 抵抗負荷と比べて帯域はどう変わるか

46. PMOSアクティブロード差動対の大信号特性

シミュレーション: Transient

入力

  • differential sine input
  • frequency = 1MHz

sweep

  • 入力振幅: 10mV, 50mV, 100mV, 200mV

考察

  • PMOSアクティブロード化で大信号特性はどう変わるか
  • 出力スイングを制限している素子はどれか

47. カレントミラーでテール電流を作成

シミュレーション: DC / AC

  • テール電流源をカレントミラーに置き換える
  • IREF=10uA、ITAIL=100uA(例)

確認事項

  • 各MOSの動作領域
  • 小信号ゲインの変化

考察

  • 定電圧バイアスと比べて何が実回路に近づいたか
  • カレントミラー化で増える誤差要因は何か

48. スルーレートの解析

シミュレーション: Transient

入力

  • differential pulse
  • step amplitude = 100mV
  • rise/fall = 1ns
  • CL = 1pF

確認事項

  • 出力立ち上がり波形
  • 出力立ち下がり波形
  • slew rate

考察

  • スルーレートは主に何で決まるか
  • ITAILを増やすとどうなるか?

49. ★CMRRの解析

シミュレーション: AC

  • 差動入力解析で Ad を取得
  • 同相入力解析で Acm を取得

考察

  • コモンモード信号が出力に現れる原因は何か
  • テール電流源の理想性はCMRRにどう影響するか

50. ノイズ解析

シミュレーション: Noise

確認事項

  • input referred noise
  • noise density
  • 支配的なノイズ源

考察

  • 何をするとノイズが改善するかシミュレーションで確認せよ
  • ノイズ低減のトレードオフは何か

51. オフセット解析

シミュレーション: Monte Carlo

考察

  • オフセットの主要因は何か
  • 何をすると改善するか

52. カスコード差動増幅器をまず動かす

シミュレーション: DC / AC

固定条件

  • カスコードトランジスタのバイアスは定電圧
  • VCM = 0.9V
  • differential input = 0V
  • 目標ゲイン: 40dB程度

確認事項

  • 各MOSが飽和領域で動作しているか
  • 各ノード電圧
  • 低周波ゲイン

考察

  • カスコード化で利得が上がる主因は何か
  • ヘッドルームが厳しくなるのはどの素子か

53. カスコードカレントミラーバイアスと特性確認

シミュレーション: DC / AC / Transient

入力

  • transientでは differential sine input
  • frequency = 1MHz

sweep

  • 入力振幅: 10mV, 50mV, 100mV, 200mV

固定条件

  • カスコードカレントミラーでカスコード用バイアスを生成
  • VCM = 0.9V
  • CL = 1pF

考察

  • 定電圧バイアスと比べて何が実回路に近くなったか
  • 利得向上と帯域・出力スイングのトレードオフは何か

二段オペアンプ設計

54. 二段OPAMPを作成。まずは小信号で40dBを達成する

シミュレーション: DC / AC

固定条件

  • 1段目: NMOS差動対 + PMOSアクティブロード
  • 2段目: コモンソース増幅器
  • 補償容量なし
  • differential AC input = 1V
  • VCM = 0.9V
  • CL = 1pF

確認事項

  • 各MOSの動作領域
  • 1段目ゲイン
  • 2段目ゲイン

55. ミラー補償容量を追加して位相余裕 > 60deg を達成する

シミュレーション: AC

sweep

  • Miller補償容量 CC: 0.1pF, 0.2pF, 0.5pF, 1pF, 2pF

確認事項

  • UGB
  • Phase Margin
  • ゲイン線図
  • 位相線図

考察

  • CC を増やしすぎるデメリットは?
  • CC を増やすと UGB はどう変化するか
  • 位相余裕 > 60deg を満たす CC はどの程度か

56. DC gain > 60dB を達成する

シミュレーション: DC / AC

ヒント

  • 1段目トランジスタの L
  • 1段目のバイアス電流

確認事項

  • 全体DC gain
  • 1段目ゲイン
  • 2段目ゲイン

考察

  • 60dBを達成するには、1段目と2段目のどちらの改善が効きやすいか
  • 利得を増やすと速度や面積にどんな影響があるか

57. UGB 100MHz を達成する

  • DCgain: 40dB、UGB 100MHzアンプに改造する
  • CL = 1pF

シミュレーション: AC

ヒント

  • 2段目バイアス電流

考察

  • UGB は主に gm と CC のどちらで決まるか
  • UGB 改善のトレードオフは何か

58. 大信号動作とスルーレート

シミュレーション: Transient

入力

  • pulse
  • step amplitude = 0.2V, 0.5V, 1.0V
  • rise/fall = 1ns
  • CL = 1pF

確認事項

  • slew rate

59. CL = 1pF で SR = 1V/us, 10V/us を達成する

シミュレーション: Transient

入力

  • 十分大きい step を与えて slew-rate-limited condition にする

ヒント

  • 2段目バイアス電流

考察

  • SR 改善の代償として何が悪化するか

スイッチと可変回路の基礎

MOS を「増幅素子」だけでなく「スイッチ」として使う感覚を身につけよう。 オン抵抗、信号依存性、容量の切り替え、電流の切り替えを通して、実際のアナログ回路でよく出てくる可変要素の作り方を体験する。

60. CMOSスイッチ・NMOSスイッチ・PMOSスイッチを作ろう

作業内容

  • NMOSのみのスイッチを作成する
  • PMOSのみのスイッチを作成する
  • CMOS(PMOS/NMOS両方使ったスイッチ) transmission gate を作成する
  • ゲート制御信号を切り替えて ON / OFF を確認する

固定条件例

入力信号 = DC またはゆっくりした pulse 負荷 = 容量負荷

確認事項

  • NMOS単体、PMOS単体、CMOSスイッチの違い
  • ハイレベル / ローレベルの通しやすさの違い

考察

  • なぜ NMOS は “0” を通しやすく “1” を通しにくいのか
  • なぜ PMOS はその逆なのか

61. オン抵抗を測ろう

作業内容

  • NMOSスイッチ、PMOSスイッチ、CMOSスイッチそれぞれについて ON 状態を作る
  • 小さな VDS を与えて電流を測定し、Ron = VDS / IDS として求める

固定条件例

  • W, L は同一条件で比較

確認事項

  • 各スイッチのオン抵抗 Ron
  • 同じサイズでの NMOS / PMOS / CMOS の違い

62. VDS を変えたときのオン抵抗特性を見よう

sweep

VDS: 0 → 1.8V

確認事項

  • Ron vs VDS

考察

  • なぜオン抵抗は一定値にならないのか
  • 信号レベル依存のスイッチになると何が困るか
  • transmission gate にしても完全には一定にならない理由は何か

63. スイッチで2bit可変抵抗を作ろう(抵抗ラダー)

作業内容

  • 抵抗を4個用意し、4個のMOS スイッチで接続を切り替える
  • CMOSスイッチは一つだけオンするようにoneホット入力信号をつくろう
  • 何段階かの抵抗値を選べた?

64. スイッチで2bit可変容量を作ろう

作業内容

  • 4個のコンデンサを用意し、MOS スイッチで接続を切り替える
  • 2bit capacitor bank を作成する
  • 容量値の切り替えを確認する

65. 電流可変カレントミラーを作ろう

作業内容

  • 複数のミラー枝を用意し、スイッチで ON/OFF して出力電流を切り替える
  • binary-weighted な枝電流を作り、合成電流を変化させる
  • 2bit または 3bit の電流 DAC のような構成を試す

レイアウトとPEX入門

回路図シミュレーションだけでなく、実際のレイアウトに起因する寄生素子の影響も確認してみよう。 ここでは DRC/LVS/PEX の基本を、インバータ → 差動対 → 二段オペアンプの順で体験する。

66. インバータのレイアウト作成と DRC / LVS

作業内容

  • inverter のレイアウトを作成する
  • DRC を通す
  • LVS を通す

確認事項

  • DRC error は消えた?なにが残る?
  • LVS errorは全部消えた?

67. インバータの PEX と遅延比較

シミュレーション: PEX付き Transient

作業内容

  • inverter レイアウトから寄生抽出を行う
  • 抽出後ネットリストで PEX シミュレーションを行う
  • schematic-only と PEX ありの遅延を比較する
  • CC 抽出と RCC 抽出の違いも比較する

考察

  • 遅延はどれくらい増加したか
  • CC 抽出とRCC 抽出の違いを述べよ

68. 遅延が大きく増えるインバータレイアウト

作業内容

  • あえて遅延が大きくなるような inverter レイアウトを作成する
  • PEX を行い、通常レイアウトと比較する

  • 出力配線を長くする
  • 無駄な折り返し配線を増やす
  • 入出力ノードに余分な配線容量が乗るようにする

確認事項

  • 通常版との tpHL / tpLH の差
  • どのノードの寄生が支配的か

69. 差動対のレイアウト

作業内容

  • 差動対のレイアウトを作成する
  • 左右対称性を意識して配置・配線する
  • DRC / LVS を通す

確認事項

  • 左右の素子サイズと配線長が揃っているか
  • ゲート配線、ドレイン配線、ソース配線の対称性
  • バルク接続やウェル配置に不自然さがないか

考察

  • 差動対で対称レイアウトが重要な理由は何か
  • どの寄生がミスマッチやオフセットの原因になりやすいか

70. 差動対の PEX と寄生ミスマッチ評価

シミュレーション: PEX付き DC / AC / Transient

作業内容

  • 差動対レイアウトから寄生抽出を行う
  • 差動 pair の左右でどれくらいズレが生じるか確認する
  • 左右ノードの寄生容量差を確認する

確認事項

  • 配線由来の非対称が波形やオフセットに与える影響

考察

  • 左右の寄生容量はどれくらい違ったか
  • その差はどの配線・配置に起因しているか
  • より対称性を高めるには何を直すべきか

71. 二段オペアンプのレイアウトと PEX

シミュレーション: PEX付き DC / AC / Transient

作業内容

  • 二段オペアンプのレイアウトを作成する
  • DRC / LVS を通す
  • PEX を行い、schematic と性能を比較する

考察

  • PEX 後に最も悪化した性能は何か
  • 補償容量まわり、出力ノード、バイアス配線のどこが効いていそうか
  • schematic 設計時に見落としやすいレイアウト起因の問題は何か

チャレンジ内容(追記予定)

ラザビ応用編の内容です。

一段目をカスコードにしてゲイン80dB出してみよう

一段目をゲインブーストカスコードにしてゲイン100dB出してみよう

一段目をフォールデッドカスコードにしてゲイン80dB出してみよう。入力レンジは広がるか?

スイッチドキャパシタ回路を作ってみよう

積分器を作ってみよう

(ラスボス)10bit 50MHz パイプラインADCを作ってみよう

Kaggleは研究の役に立つのか?

この記事はKaggle Advent Calendar 2025 8日目です。

qiita.com

前提

私は大学の教員として研究室を運営する、いわゆる Principal Investigator(PI) の立場です。

この記事は、学生や研究員の「スキルアップとしてのKaggle」ではなく、研究を主導する立場から Kaggle をどう活かせるのか? について書いたものです。

Google Scholar

aru47.hatenablog.com

Kaggleが役に立つこと

研究の新規性

研究で最も重要なのはユニーク性(=新規性)です。 しかし、みんなが持っている“定番の武器”だけで戦っていては差別化が難しくジリ貧です。

一方で、武器A(自分の専門) × 武器B(Kaggleの知識)を組み合わせることで、想像もしなかった結果が生まれることがあります。

例えるなら『風来のシレン』で武器同士を合成して全く別の強武器が生まれる感じです。 つまり、自分の専門性 × Kaggleで得た知見という“合成武器”が、研究における強力なアドバンテージになるかもしれません。

  • AIプロセッサ研究 × 画像コンペのモデル構造の知識

  • 3D研究 × Kaggleで磨かれた前処理・後処理技術

研究の世界では、こうした異分野的飛び道具が思いもよらない新規性を生むことが非常に多いと日々感じています。

実例

アナログコンピュート・イン・メモリ回路で Transformer と CNN のハイブリッド処理を世界で初めて実現

こちらは研究室の初期の大きな成果であり、その後様々な研究に展開されました。

この研究を始めた背景には「KaggleではViTやBERTといったTransformerが暴れているし、これからはTransformerの時代では? ならHWでもTransformerを動かすべきでは?」という単純な発想がありました。その目論見は運良く当たり、Transformer動作の解析をした初期のコンピュート・イン・メモリ回路の論文となりました。

(まさかその後LLMがここまで発展するとは思いませんでしたが…)

クソコンペ警察

PI に求められるのは、学生の出してくる研究結果について

「これは信頼できるのか?」「筋のいいアプローチなのか?」

を瞬時に判断する能力です。

Kaggle はクソコンペで時間を溶かすことで“タスクの筋の悪さ”を見抜く力を鍛えてくれます。

  • データの構造が破綻している

  • 評価指標がタスクと噛み合っていない

  • そもそも解けないタスクである

こうした“クソコンペ”を見抜く力はそのまま研究計画立案にも活きます。

(なお僕はクソコンペは教育的意義があると思うので応援しています)

aru47.hatenablog.com

リーク警察

またプロのデータサイエンティストがやっていない大学のプロジェクトではデータリークがけっこう起こります。

PI としては、「それ、リークじゃない?」と早期に止めないと、椅子から滑り落ちた後にまた座り直して論文を書く…みたいなことになりかねません。

Kaggleでリークに敏感になっておくのは研究倫理的にも本当に重要です。

Starter Notebookの作成

Kaggleの大きな魅力の一つが Starter Notebook の存在です。 データの扱いが難しいコンペでも、いきなり解析部分に入れる初心者にとっては必須アイテムです。

PI がKaggleに慣れていることで、研究プロジェクトでも初期解析のNotebookをサッと作り、 学生がつまずきがちなデータ処理を一時的に肩代わりして、すぐに「面白い部分」の検討に誘導できるといった恩恵があります。

もちろん、やりすぎると学生の成長機会を奪うので、匙加減が必要です。

仲間探し

Kaggler同士は惹かれ合う・・わけでは必ずしもないですが、ある程度の実力を示す指標としては非常に強いです。

共同研究を進める上で、初対面でもKaggleプロフィールを見ただけで「この人はちゃんとした技術を持っている」という信頼の土台になります。Kaggleが採用で強い所以ですね。

実例としては僕もKaggleの縁もあって、Kaggle Grandmaster のtkm2261さんと運良く共同研究をさせていただきました。

その中で

  • トップ学会に複数本の論文が通るレベルの成果
  • 大型グラントにつながるprelimitary data

など、研究室運営としても非常に大きな成果を得ることができました。現在進行系で大変お世話になっております。

xtech.nikkei.com

jidounten-lab.com

研究業績

研究者としては、論文アウトプットが業績評価・グラント申請・転職などで不可欠です。

研究コンペの上位入賞でホストの論文共著に入れる場合があります。 僕も実際Pandaコンペではホスト論文の共著に入れてもらえました。

www.nature.com

海外の別分野の著者の論文の書かれ方、プロセス、議論の進め方などを間近で見られるのは貴重な経験でした。

またKaggleコンペ由来の成果をワークショップで発表できることもあり、論文執筆・発表経験につながります。

upura.hatenablog.com

あまりKaggleが役に立たないこと

グラント獲得

PI の最重要ミッションのひとつは、グラントを書いて研究資金を獲得することです。

グラントでは説得力のある研究計画の他に既存の論文実績や下データ(preliminary results)、過去のプロジェクトの成功経験が重要視されます。

もちろん、Kaggle経由で得た知識やスキルは研究の質を高めるうえで大いに役に立ちますが、「PIとしてアピールできる業績」かといえば微妙と僕は考えています。

Kaggleは研究計画をうまく進めるツールやスキルにはなりますが、グラントを勝ち取るための直接的な武器ではないかもしれません。

PIの技能アップ、技術キャッチアップ

正直、PI がKaggleをやっている例は世界的にもほぼ見たことがありません。 理由はとてもシンプルで、時間がかかりすぎるからです。

Kaggleの多くのコンペは 2〜3ヶ月の長期戦となります。 長く参戦すればするほど深い学びがある一方、 PI の本業(研究指導・論文執筆・グラント申請・会議(´・ω・`)..)を圧迫して死んでしまいます。

Kaggleは「長時間手を動かす“プレイヤー”の世界」であり、PI は本来そこで戦うべき立場ではないと思います。

そのためMLを武器としたいPIが技術習得のためKaggleをやるのは(完遂できたら強いと思いますが)、現実的には難しいかもしれません。

結論

Kaggleは一般的にデータサイエンス競技プラットフォームとして語られがちですが、PIという立場から見ても意外と研究の着想や視点を広げてくれる存在です。

一方で、PIは何かと忙しく、Kaggleに本格参戦し続けるのは現実的にはなかなか難しいです(僕は仕事が忙しいよりかは、Rimworldやるのに忙しい)。 そして離れると実力も落ちてしまうため、バランスが悩ましいところですね。

それでも、Kaggleで得た経験や感覚は確実に研究の助けになると感じており、細くても長く続けていこうと思います。

卒論攻略の手引き

卒論シーズンですね。

研究室における卒論攻略を備忘録的に置いておきます。

これから書き始める人は、ぜひ参考にしてください。

研究室における卒論スケジュール例

  • 12月 先輩の卒論を読み、構成案などを参考
  • ~12月末 卒論にできそうな研究データが上がってくる(と願う)
  • ~12月末 卒論の 骨組み(アウトライン) を教員に確認
    • 本文に入る前に、書く内容を箇条書きレベルで洗い出す
  • 年末年始 卒論本文執筆開始。埋められる所はより早く埋めておくと余裕をもって過ごせる。
  • 先輩に論文を送り、レビューしてもらえる形に仕上げる
    • てにをは、など文法や説明がわかりづらい箇所など先輩レビューで補完
    • データは仮でも良い
  • 先輩チェック後に教員レビュー
  • 1月15日 研究室内卒論締切
  • 1月30日 卒論提出
  • 2月最初 卒論発表

あくまで自分のペースですが、余裕のある時に出来るだけ進めてしまうのが吉

いきなり書こう!と思っても途方に暮れてしまう君へ

杉浦先生の60QAの埋められるところを埋めてみてみよう。

docs.google.com

アウトライン作成の訓練にもなるし、研究の全体像が自然と整理されていきます。

骨組みを最初に作る重要性

卒論では「とりあえず本文を書き始める!」と突っ走りたくなるものです。

しかし多くの人がいきなり本文を執筆しはじめて途中で混乱したり、章構成がぐちゃぐちゃになったりする経験をします。

だからこそ論文本文を書く前に「骨組み(アウトライン)」を設計することこそが、最も重要な作業です。

アウトラインは、論文全体の “設計図” であり、基礎工事と同じ役割を果たします。

1. 論文のゴールが明確になる

研究にはさまざまなデータや考察があり、執筆時には膨大な情報が流れ込んできます。

その中で迷わないためには、まず 「何を伝えたいのか」 を明確にしておく必要があります。

骨組みを作ることで、

  • この論文の主張は何か
  • 読者に何を理解してもらいたいか
  • どこを詳しく説明し、どこは簡略化するか

といった “ゴールと優先順位” を最初に整理できます。

2. 書くべき内容/書かなくてよい内容がはっきりする

実験を頑張ったので、やったことを全部卒論で書きたくなると思います。

しかし卒論では、すべてのアイデアや実験結果を詰め込む必要はありません。

むしろ冗長になると主張がぼやけてしまいます。

  • 必要な情報
  • 削除すべき情報

が明確になり、無駄を省けます。

3. 章構成の整合性とストーリー性が生まれる

良い論文には “読みやすい流れ” があります。 序論から結論まで、論理が自然につながるストーリーをつくることが理想です。

骨組みを作ることで、

  • 読者がどの順番で理解するか
  • どの章でどんな疑問に答えるか
  • 一つ前の章が次の章の理解をどう助けるか といった “ストーリーライン” を事前に確認できます。

章の順番を後から入れ替えるのは大変ですが、骨組みの段階なら簡単です。

研究室では骨組みの段階でレビューをしています(実際の国際学会論文を書くときも同様です)

追記: 教員目線の発言ですが、うちでは多くの学生が院進することもあり、完璧な卒論を目指すよりかは"新規性のある研究を技術的文書としてまとめる"と言うことに重点を置いています。新規性がある技術を人に伝える、という経験は殆どの学生は初体験であるため、スムーズに実行するのは難しいです。その辺りの技術をアウトライン構成を通じて指導することに重点を置いています。

また新規性をしっかり出すために、実験はかなり締め切りギリギリまでやっているかもしれません。また終わらない事もしばしばなので、ある程度妥協点を見出す必要もあります。その後に3月辺りに国内学会に出したり、より磨き上げて夏くらいに国際学会やジャーナルに出すなどの流れで進めていきます。

骨組みの例

省略してますが、実際には各章で何を書くか、箇条書きレベルで書いていきます。

骨組みの例

タイトル(仮)

次世代センシングシステムにおける計測手法とセキュリティ課題の抽象的検討

1. 序論

1.1 研究背景

近年、光学・音響・電磁波など多様なセンサを用いた空間計測技術が進展している。
特に距離情報を取得する計測デバイス(以下、汎称して「アクティブレンジセンサ」)は
ロボティクス、交通、産業分野において重要性が増している。

1.2 研究目的

本稿では、代表的なレンジセンサ方式の一般的な原理と、
それらが直面し得るセキュリティリスクについて議論する。

1.3 本論文の構成

2. 原理

2.1 距離計測の一般原理

2.2 使用される光・波長の概念

2.3 物体検出アルゴリズム

3. 先行研究

4. 次世代レンジセンサの測定

5. 提案手法

5.1 概念

5.2 評価方法

6. 実験結果

7. 結論

TexかWordか?

卒論執筆のツールには大きくワードかTexがあると思います。

メリット・デメリットを理解してどちらで書くか決めましょう。

Wordのメリット

  • 使い慣れている
  • すぐに書き始めることができる

Wordのデメリット

  • 引用文献、図表番号の管理が大変(提出前にバグって発狂する・・)

卒論は50P~100P~と今まで書いた文書の中でも最大なものとなると思います。

終盤になるとwordが扱える限界を超えてきて、フォーマットが崩れ始めます。

Texのデメリット

  • 新しくTexを覚えなければならない
  • なんかとっつきづらい

Texのメリット

  • 長文であっても図表番号、引用文献管理が楽
    • 数百あっても問題なし
  • フォント、数式が美しい
  • 慣れれば楽

Texの環境構築

Texはローカルでも良いですが、Overleafというウェブアプリで簡単に作成できます。

www.overleaf.com

Stanfordを始め、様々な研究大学で標準的に利用されています。

無料なので是非登録してみましょう(先輩の修論プロジェクトを引き継げると一番良い)

AI校正

AIを賢く使って文法推敲や骨組みの改善に使いましょう。

完全に内容を生成してしまうと単位没収になるので、あくまで「自分の文章を磨くための道具」として使いましょう。

例:

  • 以下で与える論文のセクションの記述に対して、構成の改善案とコメントをちょうだい。
  • この文章の文法をチェックして
  • 査読者になったつもりでこの論文の弱点や改善点を指摘して

育児で買ってよかったものリスト

二人男の子を育児中です。

妊娠~出産前後は忙しい割に買うものが多く、脳死でアマゾン買い物かごに放り込めるようなリストがあると良かったなという思い出書いてます。

アフィ記事ですが、誰かの役に立てば幸いです。

ジョイントマット

amzn.to

ジョイントマットは育児に欠かせないアイテムです。

育児中は食べかす、ゲロ、おしっこ、うんちを撒き散らかされ、フローリングが剥き出しだと精神が持ちません。

そんな時でもジョイントマットが受け止めてくれると(気持ち)心が休まります。

また転ぶときにもジョイントマットがあるとケガから守ってくれるため非常にありがたい相棒です。

うちは五年間くらい同じものをリビングに敷き詰めましたが、まだまだいけそうな感じです。

ミルク関連

母乳実感は直付けのため洗う手間が少なくて助かりました。

100mlは最初の2ヶ月くらいしか使えないのでちょっともったいない気もしますが、小さいと取り回しが良くて便利でした。200ml瓶は少し重たいため、最初は100mlで親も慣れると良いかなとも思います。

少し大きくなると200ml+大きい乳首に移行しました。

電子レンジで哺乳瓶消毒できるこのケースはセットさえすれば実行できるため、とても便利でした。こちらはメルカリで買った気がします。

哺乳瓶を洗うときは食器用洗剤+ブラシで洗ったあとに消毒していました。 どのメーカーも違いはないのでどれでも良いと思いますが、ブラシがないと洗うのは大変だと思います。

  • ミルク、おむつはどのメーカーでも高品質なので気に入ったものをドラッグストアなどで買うと良いと思います!アマゾンだと少し割高?

お風呂関連

最初はこのような手を離しても赤ちゃんが座れるようなバスが便利でした(間のでっぱりで座ってくれます)

残念ながら数ヶ月で穴が開いてしまいました。。

バスを卒業したあとはお風呂マットで体を洗ってから一緒に入っていました。

幸いあまり皮膚トラブルは多くありませんでしたが、お風呂上がりにアトピタはできるだけ塗っていました。

ベッドなど

上の子の時はベビーベッドは使いませんでした。 下の子が生まれた際は上の子からガードする場所としてもベビーベッドは活躍しました。 場所を取り、捨てるのも大変なのでうちはレンタルしました(値段的には買うのとあまり変わらない。。)

抱っこ紐

エルゴを買った時は「高くない・・?」と思いましたが、抱っこ紐はあなたが育児中最も身につける相棒になると思います。

高いほうが耐久性、安全性、腰痛緩和にも良いのでお金をかけてよいかと思います。

ベビーカー

値段の上下が激しいベビーカーですが、僕はAprica、コンビなら全部しっかりしているのでなんでも良いのではと思っています。安くても十分機能は果たしてくれるので・・

ただライフスタイル上ベビーカーを酷使するならばお金をかけても良いと思います(うちは車メインであまりベビーカー遠出をしませんでした)

離乳食関連

離乳食中は首周りがべちゃべちゃになるのでスタイが必須でした。最初はキャッチ力が高い布製を使って、食べるのが上手くなってきたらすぐに洗えるプラスチック製に移行しました。

バウンサーは子どもをあやすためにも、離乳食を食べるときの椅子としても大活躍しました。オススメです。 ベビービョルンでもリッチェルでも両方あまり変わらないので気に入った方で良いと思います。

便利家電など

育児中はとにかく洗濯物が多いため、スイッチ押せば乾燥までやってくれるドラム式洗濯機はとても助かりました。メーカーはなんでも良いと思いますが、ちゃんと置き場所に収まるかはよくチェックしてください。

ドラム式洗濯機がないと育児難易度は数段上がるのでは?と個人的には思います

ドラム式洗濯機ほどではないですが、食洗機もあるとベターです。こちらもボタンを押して食器洗いまでやってくれるのはとても助かりました。

部屋モニタとして広角なGoogle Nest Camを使ってます。スマホやPCでカメラの様子をモニタできます。

うちは二階建てなので、部屋の様子をスマホで確認できると(今寝かしつけ中?など)うまく家族間の連携が取れることが多々ありました。 またベビーシッターさんの様子などをモニタできるため、とても安心できます。

このベビーモニターはアプリを使うと外出中でもスマホでベッドの様子を確認できて便利でした。値段も安く、アプリの出来も良いのでとてもよかったです。

あやしグッズ

泣いている赤ちゃんも思わず泣き止む、という文句のだるまさんシリーズ。 ホントかよ、と思いますがだるまさんはうちでは効果絶大でした。表紙のコピーを取って部屋中に貼っていたことも・・

Sassyやラトル系おもちゃはちょっと手が離せないときに渡しておくと遊んでくれてとても助かりました。多分何がハマるかは子どもによるので、数を打って試すのが良い・・

困ったときのpoison。言いたいことも言えないこんな世の中に共感する赤ちゃんが多いのか、泣き止まし効果は絶大でした。

何度"Ok google! 反町隆史のpoisonを再生して"といったことか

LiDARのオススメ5選-2024年

LiDARのオススメ5選

オススメLiDARの性能と予想価格を表にしてみました。

tldr

結論から言うと一般の用途(ロボット)であればMID360が最適な選択肢です

DJIストアか正規代理店の光響さんから買いましょう。

Livox MID360

10万を切るLiDARながら、360°水平スキャンと干渉回避機能を持ったコスパお化けです。

ハイエンドLiDARに比べればノイズは少し大きいですが、一般使用には問題ない範囲です。

ロボティクスから3Dスキャンまで多用途に使えると思います。

www.youtube.com

またSDKも使いやすく、プログラムに慣れていない方でも問題なく使えるかと思います。

github.com

Livox特有のスキャン方式で少しクセがありますが、この価格帯と性能から多くのSLAMアルゴリズムがサポートしているのもありがたい点です。

MID-360でSLAM(GLIM)を実行した様子。

そこまで開けた場所でなければ、野外でも問題なく動作します。

youtu.be

Hesai ATX (2026/3/17追記)

https://www.argocorp.com/cam/special/HesaiTechnology/AT.html

こちらは256ライン、200m、120度 HFoVでありながら10万程度で手に入ります。価格破壊ですね・・

中華EVの前方LiDARとして多く採用されている機種となります。

カメラのような高解像度点群が必要な場合は一番の選択肢になるかと思います。

残念ながら直販はなく、商社経由で購入する必要があります。

www.hesaitech.com

Livox HAP

https://www.livoxtech.com/jp/hap

こちらも20万を切る価格ながら抜群の解像度を誇ります。64 line相当でしょうか。

加えて150mとかなり遠方までスキャン可能で、野外や路上などでも活用可能で解像度と性能のコスパに優れます。

少しFPSが低い(10FPSだと40lineくらいの解像度)となってしまうのが少し難点ですが、そこは価格が安いので御愛嬌。

Hesai XT32

www.youtube.com

360度回転型LiDARの中ではコスパが良く、測定精度が非常に高いです。多くの自動運転車に採用されているモデルでもあり、コスパと性能のバランスに優れます。

またとても強い干渉回避機能を持っており、多数のLiDARが存在していても干渉は全くしません。

加えてVelodyne LiDARよりも倍くらい測定精度が高い気がする。またゼロ距離まで測定可能な謎技術を搭載している。凄いぞHesai。

欠点は特にないですが、強いていうと性能の分少し値が張ることくらい?新品は高いのでうちはebayで買ったものを使ってます。

Robosense M1

www.youtube.com

解像度と測定精度が高く、スキャン方法がノーマルなLivox HAPという感じ。あらゆる面でHAPの上位互換ですが、価格には転嫁してしまいます。

とても絵はキレイで、見ると感動すると思います。100万以下でこの画質が手に入るのは凄いですね。高精度物体認識にはこちらがオススメです。

また遠距離性能や解像度が更に改善したRS-M1plus, M2, M3のラインナップがあります。少し高いけど。

Ouster OS-1-64

www.youtube.com

Ouster LiDARはダントツで点群が綺麗です。見とれてしまいますね。

独自技術を数多く搭載し、高解像スキャン装置に採用されているモデルです。

欠点は特にないです、価格以外。残念ながら100万円オーバーすると思います。

情報募集中

Innovusionは買ったことないのでリストには入ってません。いいのですかね?

LiDARの入手方法

新品を代理店様や公式サイトから買うのが安牌だと思います。当たり前ですが。

ebayでちょくちょく中古LiDARが出ますが、残念ながら部品が足りなかったりそもそも動作しなかったりするのでギャンブル性があります。買うときは必ず動作確認しているものだけ買いましょう(LiDAR動作している写真を含んでいるものがオススメ)。

Alibabaでも中古LiDARは大量に流れてますが。。危ない匂いしかしません。

石油王向け

Ouster LiDARでも安いじゃん!という石油王の皆様にはLuminarやAeye LiDARを買ってみてください。

www.luminartech.com

www.aeye.ai

最後に

本記事はLiDAR Advent Calendar 17日目でした(1年遅れ)

CMOSアナログ設計を学ぶ資料集

アナログCMOS回路の教科書

入門用

はじめてCMOSアナログ回路設計を学ぶ人向き。(研究室配属者など)

実際に設計しながら読み進めると良い。

Next step

Razavi

谷口CMOSは演習問題や深い解析はあまりないため、次はRazavi CMOSで理解を深めると良い。

分かりづらい言い回しが多いので、何度も読んで段々と理解を深められれば良い。

最初に読むときはマニアックな回路の解析などは読み飛ばしてOK。

オペアンプ設計は応用編なので、応用編も買っておこう(高いけど・・)

英語が苦でなければ、インド版のPaperbackを買うと5000円で全ての内容が手に入ってお得(2nd editionなので、日本語版よりも内容が加筆されている。)

LSI常識講座

LSI設計常識講座

LSI設計常識講座

Amazon

LSI設計者にとっては常識・必至だが、教科書で教えてくれない実践的な技術をカバーしている。設計の実践前には読破しておきたい。

例えば

  • なぜSPICEにおけるMOSモデルは4端子?

  • DRCってなに?

  • ESDってなに?

  • ラッチアップって?

など設計時に間違えると取り返しのつかない大事な事象についてカバーしている。

松澤CMOS

残念ながら絶版ですが、アナログの実践的な設計をカバーしている名著。中古で手に入るので買っておこう。

Verilog-AMS

Verilog-AMSはアナログ mixed signal設計には必須なのですが、唯一日本語で解説している本です。

これも残念ながら絶版ですが、中古で手に入ります。

講義資料

小林先生

kobaweb.ei.st.gunma-u.ac.jp

小林先生の集積回路システム講義はとてもわかりやすいです。

資料-1「エレクトロニクス、半導体の技術産業 —今、なぜアナログか—」

資料-2「アナログ集積回路の基礎」

資料-3「CMOSデジタル集積回路」

資料-4「アナログ集積回路 —基本回路(1)—」

資料-5「アナログ集積回路 —基本回路(2)—」

資料-6「アナログ集積回路 —基本回路(3)—」

資料-7「ナノCMOS時代のアナログ回路」

資料-8「アナログ集積回路のレイアウト技術」

松澤先生

CMOSアナログ設計の基礎

土屋先生

Akira Tsuchiya|note

GF180を元に実回路の設計方針について解説されています。

特にオペアンプを初めて作るときは、フローが参考になると思います。

note.com

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