【壁の向こうを見通すNLoSセンシングを野外で実現】Seeing Around Street Corners: Non-Line-of-Sight Detection and Tracking In-the-Wild Using Doppler Radar
ハイライト
壁などの裏の死角物体のセンシングを実現。例えば自動運転中にも壁の裏の歩行者などを早期発見できる技術に応用可能。
CVPR 2020
著者グループはNLoSセンシングの大家であるFelix HeideおよびMercedesBenz, Princeton大学等。
結果
結果の図を見るのが一番わかり易い。 野外において壁越しにいる自転車、人物(黄色の点群)を検出できているのがわかる。
背景と従来の課題
NLoSは壁などで光を反射させることで、センサの直線状にない物体のセンシングを行う手法である。 これを応用することで壁の裏の物体をも見通す事ができる。
壁の裏側も見通せるNLoSセンシングは何年も活発に研究されていたが、それは主に非常に強いレーザ光を使用したものであった。 例えばCVPR2019のベストペーパーはレーザ光NLoSの画像復元に関する研究。
一方でこれらの光学NLoS系の研究は実験室内の環境では確かにセンシングに成功していたが、外乱に弱いため野外でのセンシングに報告した例はなかった。
提案アプローチ
光などのテラヘルツ波はキレイに反射するのは鏡といった限定された面だけである。 一方でミリ波帯(20-100GHz)の電波は光と違い、例えば壁、連なった車などが反射面として使える(上の図)。 ミリ波レーダは多くの物体表面で反射するため、野外でもNLoSセンシングが可能であることを示した。
また論文の貢献としてミリ波NLoSの基本的な原理およびNLoS物体の速度もセンシングできる理論をまとめたのが貢献である。 式的には普通のNLoSとあまり変わらず、速度も確かに延長したら導出できそう。
物体の反射特性なども定式化されているがBRDFなどわかってないので読み解けない。。要勉強
NLoS物体の検出
野外では反射・非反射する表面があるので、ミリ波レーダのスキャン結果のどの部分が実際にNLoSセンシングした部分か当てるのは難しいタスク(だと思うんだけどあまり論文では触れられていなかった)
論文で用いているレーダでは壁等から一次反射(first-bounce、図中のW点で直接跳ね返った結果)とW点の壁反射し、更に物体で拡散した電波が再度W点で壁反射し筐体に戻ってきた電波をthird-bounceと呼んでいる。 ある面積以上の平面を検出し、更にその奥に点群が検出できている場合それをNLoS検出結果としてマークしているとのこと。
結構単純な方法でthird-bounceデータを検出できるのは驚き。。野外には平面等は多く見られるので誤検知とか多くないのか気になった。
3D物体検出
ミリ波レーダベースの物体検出手法も提案されているけど、普通のBEV投影ネットワークに見えるためあまり新規性は感じない。